そうだったのか!事業承継をする前に知っておきたいこと

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専門家が事業承継について解説します

事業承継はすべての企業が意識しておかなければいけない重要な経営戦略の一つです。しかし、偏った知識や誤った理解で事業承継に取り組んでしまうと、経営者や後継者ばかりではなく、従業員や取引先にまで迷惑をかけてしまうこともあります。

ですから、事業承継は経営者の重要な仕事の一つといっても言い過ぎではありません。事業承継を成功させるためには、まずは事業承継の本質を理解する必要があります。

M&A岡本

現在、長手さんの会社は大きく成長していますが、事業承継については考えていますか?

長手さん

いやー、まだ50歳だから全然考えていないよ~。それに、事業承継って何をしたらいいのかもよくわかってないんだよー。

M&A岡本

事業承継は誰に事業承継をするかにもよって方法も変わりますし、譲渡内容も株式だけというわけではありません。
長手さんはオーナー企業ですし、そろそろ事業承継に取り組んでもいいかもしれませんね。

事業承継にはどんな準備が必要か?

事業承継の目的は「経営そのものを引継ぐこと」です。単純に経営者を交代することでも、株式を後継者に譲渡するだけではありません。経営者が誰になっても、問題なく事業を継続できる組織体制をつくり、事業を引継ぐことが重要です。

後継者選びからはじまり、経営分析、経営や組織の見直し、税金対策など、事業承継は多岐に渡って準備をする必要があります。

主に事業承継で行うこと
・経営分析
・後継者選び(→後継者がいない場合は、第三者へ会社を売却)
・経営の見直し
・組織の見直し
・相続制対策 …etc.

早めに事業承継対策をはじめたほうがいい理由

下のグラフは中小企業庁の事業承継ガイドラインから抜粋したものですが、年々経営者の年齢は上がっているのにもかかわらず、経営者交代率は下がっていることがわかります。このグラフから多くの企業で事業承継がうまく進んでいないことがわかります。

経営者の平均年齢と交代率のグラフ

出典:中小企業庁 事業承継ガイドライン

事業承継はおおくの準備を必要としますが、事業承継をする相手によって準備の方法が異なります。

事業承継は多岐に渡り準備が必要となります。そして事業承継をする相手により準備の方法も異なります。例えば、子どもに5億円の株式を親族内承継をした場合の相続税は以下の金額になります。

5億円×50%-4,200万円(税金控除額)=2億3,300万円(相続税)

【参考】息子などの親族に事業承継をする場合の相続税対策

M&A岡本

5億円の株式譲渡で相続税が2億3,300万円なんて、驚愕しますよね…!
相続税は現金一括納付が原則なので、相続税を支払うために銀行から借入れをしたという例も珍しくないんです。

M&A岡本

後継者が相続税で困らないようにするために、親族内承継の事業承継は、利益を圧縮したり、資産の整理や組み替えするなどの「株価引下げ」対策が重要になります。

長手さん

なるほど…!
では事業承継をする後継者がいない場合はどうなんですか?

M&A岡本

事業承継をする後継者がいない場合は、第三者へ会社を売却する方法があります。いわゆるM&Aですね。
この場合は、従業員の雇用や売却金額など最良の条件を獲得するために、会社の価値を高めて「株価引上げ」対策を行います。

長手さん

そうか、事業承継をする相手によって、事業承継の対策方法が違うのか!

このように会社を誰に事業承継するかによって経営者が行う対策は異なります。また、対策を行う準備にもある程度の時間をかけなければ行うことができないので、事業承継対策は早めに実行したほうが良い結果を生みます。

長手さん

事業承継ってなかなか大変なものだな…!
うちもしっかり事業承継対策に取り組まないといけないな!

事業承継では何を承継するのか?

事業承継では、人・経営・資産を引き継ぐ

「人」の承継

従業員、顧客、取引先、仕入れ先などを後継者に引継ぎます。中小企業の場合は、これらが経営者個人に集中していることが多いため、円滑に引継ぎができるように準備をしておくことが重要です。

「経営」の承継

営業ノウハウや事業ノウハウを後継者に引継ぎます。経営も上記と同じく経営者個人に集中していることが多いので、経営も円滑に承継できるように準備をしなくてはいけません。

「資産」の承継

株式、現預金、不動産などを後継者に引継ぎます。親族内承継の場合は相続税対策が必要になってきます。

会社は、経営者や従業員、取引先などの人的ネットワーク、会社が培ってきた経営ノウハウ、そして事業活動を支える資産で成り立っています。事業承継はこの3つの項目をスムーズに承継することが大きなテーマになります。誰が経営者になっても問題なく事業を運営することができる組織を作ることが目標になります。

事業承継でやるべきこと

事業承継に取り組む前に、まずは会社をとりまく状況を把握することが大切です。そして、どのような作業が発生するのかを事前にチェックしてから着実に進めていくことが大切です。

会社の経営資源の状況 ・従業員の数、年齢等の現状
・資産の額やキャッシュフロー等の現状と将来の見込み etc.
会社の経営リスクの状況 ・会社の負債の現状
・会社の競争力の現状と将来の見込み etc.
経営者自身の状況 ・保有自社株式の現状
・個人名義の土地・建物の現状
・個人の負債・個人保証等の現状 etc.
相続発生時に予想される
問題点
・法定相続人及び相互の人間関係・株式保有状況等の確認
・相続財産の特定・相続税額の試算・納税方法の検討 etc.
後継者候補の状況 ・親族内に後継者候補はいるか
・社内や取引先等に後継者候補はいるか
・後継者候補の能力・適正はどうか
・後継者候補の年齢・経歴・会社経営に対する意欲はどうか etc.
事業承継の計画 ・親族内承継、親族外承継、第三者への売却(M&A)のメリット・デメリットを知る
・後継者候補を決定して意思の確認をする
・中長期経営計画を立てる
・事業承継計画を立てる etc.
経営体制を整備する ・経営理念を明文化する
・人事制度を見直す
・人員配置を見直す
・後継者に業務を経験させる
・業務のノウハウを共有する etc.
資産の承継 ・後継者候補に資産を適正に配分する
・株式に関する定款の規定を確認する
・後継者が従業員の場合は株式取得資金を用意する
・株式の生前贈与を検討する
・遺産の分割方法を決める etc.

参考 中小企業庁:事業承継ガイドライン

M&A岡本

このように事業承継はやるべきことがたくさんありますが、まずは「誰に事業承継をするか?」を決めることがスタートになります。そして、事業承継をする相手によって、取るべき方法が異なります。

長手さん

誰を後継者にするかによって事業承継の準備が違うということはわかったけど、うちの会社の場合はどうしたらいいんだろう…??

M&A岡本

次回は「親族内承継」「親族外承継」「第三者へ会社を売却(M&A)」といった事業承継の方法について解説しますね。

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