売上ゼロの医療器具メーカーの会社売却の事例

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この会社はナノテクを駆使した医療器具を作ろうとしていた会社で、設立当初から、名だたるベンチャーキャピタルが出資したほか、メガバンクからも借入れを受けていました。しかし、製品のプロトタイプ(模型)まで作ることができましたが、量産体制に入ることができず、手元資金が底を尽きそうになり会社売却を進めました。

【背景】製品のプロトタイプはできたけど、量産体制に入れない

この会社ではナノテクを駆使し、微細なものを作る技術で手術効率を高める医療器具を作ろうとしていました。設立当初から、名だたるベンチャーキャピタルが出資したほか、メガバンクからも借入れを受けていました。この資金を元手に研究を重ね、製品のプロトタイプ(模型)まで作ることができました。

しかし、出資先や借入先の取引先を使って売り込みをかけてもうまくいかず量産体制に入ることができません。3~4ヶ月ほどで手元資金も底を尽き、清算もやむなしというタイミングで会社売却の相談に来られました。

【磨き上げ】研究過程や過去の失敗の事例を言語化して見える化

私たちとは別に、この会社に出資するベンチャーキャピタルが医療分野で会社売却の可能性を探っていたため、私たちは医療分野に固執せず、あらゆる可能性を視野に入れて検討をしました。

創業から現在までどのような研究開発を重ねてきたのか、それはなぜ失敗したのか、研究者でもある社長に何度もヒアリングをすると同時に、社長が残していた研究過程の備忘録をもとにあらゆる可能性を探りました。

当初、この会社はナノテクを駆使した医療器具を作ろうとしていましたが、社長とヒアリングを重ねていくと、この技術を別の分野でも生かせることができるのではないか考えました。具体的には、携帯電話を作るときに邪魔になる微細なゴミを除去する技術への転用です。

そこから発展し、携帯電話の基幹部品の一部も作ることができるのでないかと社長に話したところ、社長も創業時に同じような発想を持っていたことがわかりました。

研究開発型の会社の場合は、知的財産や研究過程を見ることで、売却先の可能性を広げることができる

【M&A成立】医療分野ではなく、モーター事業の会社へ会社を売却

結果的に、この会社はモーター事業で世界的なシェアを持つ企業の子会社にどんどん拍子で会社売却が成立しました。もちろん買い手側が評価したのは、ナノテクの研究開発技術になります。

通常の会社売却は、財務諸表や直近の取引先の分析が中心となりますが、研究開発型の会社の場合は、知的財産や研究過程を見ることで売却先を広げることができます。会社の価値を算定するとき、そこまで踏み込めるかどうかがポイントになります。

また、過去の失敗を蓄積することは、研究開発型の会社の価値を見える化するための重要な資料になります。研究開発型の中小企業が、量産化の手前で行き詰まるケースは少なくありません。試作段階の過程や内容をアピールするためにも研究者の記録は重要になります。

医療現場にこだわらずあらゆる可能性を探った
研究内容を理解することで、医療現場からモーター事業の分野へアプローチ
研究結果や過去の失敗の蓄積を言語化して見える化した

ベンチャーキャピタルの資金が入ると、彼らは短期間で市場にアプローチできる方法をアドバイスするので、どうしてもビジネスとして成立するものが優先されます。それは正しいとは思いますが、一方、創業者が創業時に思い描いていたさまざまな可能性の芽が摘まれてしまうこともあります。

行き詰まったときに原点回帰するのはとても大事なことです。市場から評価されないと、心が折れて自信を喪失するのは仕方がないことかもしれません。それでも、この成功事例を参考い行き詰まったときは、一度原点を見直す姿勢を思い出してみてはいかがでしょうか。

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