後継者不在の旅行代理店の会社売却

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中小企業の場合、「後継者がいないから自分の代で終わりにしたい」という理由から、会社売却を依頼する方も少なくありません。今回も後継者が不在のために会社を売却した旅行代理店のケースになります。

【背景】後継者不在のために会社売却を決意

会社データ ・学生のホームステイ先を紹介(旅行代理業)
・売上げ:1億円
・従業員:5名
・業績:数千万円の借入、収支はトントン

海外のホームステイ先を多数ネットワーク、学生のホームステイ先を紹介している、従業員5名の小さな会社になります。社長は60歳、15年前に学生相手の旅行会社を設立してから、営業の第一線で頑張ってきましたが、だんだん仕事がきつくなってきたことから、会社を売却することにしました。

売上げは1億円。それほど儲かる業種でもなく、収益はトントン。可のなく不可もない業績で、累損も債務超過もありませんが、銀行からの借入金が数千万円あります。

会社売却の条件は、売却したあとも5年間は社長業を継続したいこと、売却希望金額は年商と同じ1億円でした。

社長は、会社売却の金額を「年商と同額」と単純に考えていたようでしたが、1億円の年商はあるとはいえ、ほとんど儲かっていないのが現状です。決算書のどこを探しても、1億円の価値がある資産などもありません。希望の売却金額で会社を売れるかどうかは難しい状況でした。

【磨き上げ】無形の企業価値を発見!

ところが、この会社のことを調べていくうちに意外な価値を発見しました。

それは、きちんとメンテナンスされた何千件ものホームステイ先のリストを持ったいたことです。つまり、この会社を買った買い手側は、この膨大なリスト先を利用できることになります。会社によっては、今までにないビジネスチャンスが生まれるでしょう。これは決算書には載っていない、無形の企業価値です。

【M&A成立】売却金9000万円、社長報酬2000万円で成立

会社は大手旅行会社に買収されることになりました。買い手側は、今後、営業力を生かしてホームステイ先をフルに生かすだけの集客をすることができます。

もともと社長が希望していた売却金額は1億円でしたが、約9000万円で合意しました。また、今後5年間、社長業を継続したいという売り手側の社長の意向も受け入れられ、毎年2000万円の社長報酬が支払われることにもなりました。

膨大かつ優良なホームステイ先リストが評価された
売却代金9000万円で合意
社長は5年間続投、報酬は年2000万円

M&A田中

この旅行代理店のケースは、決算書では見えない無形の価値が評価された好事例になります。個人客相手の場合でも、顧客層を細分化したり、最新の情報にメンテナンスすることで、企業の価値につながります。

会社を売却する理由は、「後継者がいない」「息子に継ぐ気がない」「将来の展望が厳しい業界だから子どもに継がせたくない」など、理由はそれぞれですが、会社の売却金社長にとって「退職金」代わりのようなものになります。

より魅力的な会社にするために、会社売却のプロセスの入る前に磨き上げを実行して、会社の価値を高めましょう。

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