【会社売却の事例】売上ゼロでも技術が評価された医療用器具メーカーの場合

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M&A田中

売上げはゼロ。販売実績がなくても、技術が評価された事例になります。

【背景】量産化の段階で資金ショート

職人気質の創業社長が、私財を投じて10年かけて医療用器具を開発しましたが、いよいよ量産化に入れるという段階で資金がショート。どうにかしなければ、会社をたたむしかなかった事例になります。

会社データ ・医療用器具を製作する会社
・職人気質の創業社長が私財を投じて開発
・量産化の段階で資金ショート
・売上げゼロ、販売実績なし

ようやく開発した医療用器具ですが、量産化をするためには設備投資が必要でした。

しかし、開発スピードの遅さ、販売ルートの未熟さなど、説得材料が乏しく、追加資金をだしてくれる先が見つかりません。社長は試行錯誤を重ねたものの、販路は見つからず、会社の売却を検討をしました。

会社売却の条件は、社長が10年間かけて開発した技術を世の中に広めてくれること。そして、社長を研究者としての立場を残してくれることでした。

【磨き上げ】素晴らしい技術、けれども…

会社を売却するための事前の準備の「磨き上げ」では、開発された技術を中心に調査を行いました。

M&A田中

磨き上げに関しては、以下の記事で詳しくまとめています。今回のケースはチェックポイント5)の特許・技術・情報の部分になります。

この会社が開発したのは、それまでは金属で製作されていた医療用器具を、体内で分解可能な素材で製作する技術でした。

体内に金属が入れば、体を異物だととらえ副作用を引き起こす場合もあります。また、金属が体内に残ることで炎症を引き起こし、二次的な病気につながる場合もあります。

このようなことが起こらないようにするために、医療用器具開発の専門家でもなかった社長が私財を投じて独学で作り上げた技術になります。

ベンチャー企業の新規参入が難しい医療機器の流通

医療機器の流通は、既存の大手メーカーが圧倒的な力を持っていて、競合する新製品はなかなか参入をすることができません。できたとしても、試験的な扱いになるため、そうすると数量をさばくことができません。そうすると、大量生産までの大幅なコストダウンが実現せず、売価が数倍になってしまい、業界の構造的にベンチャー企業の新規参入が難しいものになっていました。

社長が開発した技術は、さまざまな表彰を受けるほど定評があり、大手メーカーからのライセンス契約の話もありました。しかし、設定価格の兼ね合いや、既存製品とのハイブリッド型での競業であったりと、社長が考える純粋な製品開発ではなかったため、ライセンス契約の話は進展しませんでした。

100社に及ぶ候補先にアプローチしましたが、どの会社も既存の大手メーカーとの摩擦を恐れて、なかなか前向きな返事をもらうことはできませんでした。

【M&A成立】社長の理念に共感、資金支援に

最終的には、医療関係の学校法人を有する巨大グループが資金支援を申し出てくれました。

この学校法人は、社長と同じ問題意識を持っていて、社長が開発した技術は、将来的に必ず必要とされる技術だと評価をしたのでした。また、この出資が呼び水となり、社長の理念に共感する資本家がさらなる出資が行われました。

社会にとって必要である技術だという社長の信念に共感して資金支援につながりました。

一時的な収入を得ようと、無節操な提携関係を結んだ挙句、事業が成り立たなくなった場合のほうが資金提供者を得ることは難しくなります。自分の信念を貫くこともときには大切です。

M&A田中

いかがでしょうか。製品開発をして、量産化する段階で資金ショート。販売実績がないにもかかわらず、社長の技術の信念に共感して資金支援につながった事例になります。

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