従業員5名の損害保険代理店の会社売却事例

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関西で40年にわたって損害保険代理店を営んでいる会社の事例になります。従業員5名の小さな会社ですが、このケースの磨き上げのポイントなったのが従業員になります。

【背景】後継者不在で会社売却を決意

会社データ ・売上げ:1億円強
・営業利益:1000万円
・無借金
・長年の内部留保で純資産3億円

こちらの損保保険代理店会社は、70歳を超える創業社長が、前職の部下2人とともに創業しました。創業パートナーは、営業担当取締役と保険事務管理担当取締役を務め、従業員は営業1人、保険事務4人、合計5人の小さな会社になります。

小規模ながら、無借金、純資産3億円と順調に見える会社ですが、社長は体調不良によって数年前から引退を考えていました。

社長の身内には後継者はなく、創業パートナー2人も60代後半と高齢。パートナーの身内にも後継者が見当たらないことから会社売却を決めました。

損害保険代理店の事業承継では、保険契約の移転と必要な社員だけを譲り受けるといった、いわゆる事業譲渡や会社分割による譲渡が数多く見受けられますが、社長は残り数年の役員の残留と、従業員の雇用維持を強く望んでいました。

一般的に、小規模の会社は社長の属人的な人脈や能力に依存するケースがほとんどです。そのため、会社は組織的な経営体制ができていないと判断されがちです。今回のケースでも、社長が引退すると、顧客離れが進んでしまうのではないかということが懸念事項でした。

【磨き上げ】顧客と従業員の関係が濃密な点がポイント

実際に会社売却を進めるプロセスに入る前に、会社の磨き上げを行います。

今回のケースで磨き上げのポイントとなったのが「顧客と従業員」でした。

顧客の詳細を調査する

まずは、損害保険を契約している顧客の詳細を調査しました。

すると、契約している会社は、大手企業や団体といった優良顧客が中心であることがわかりました。現在は1人の営業ですが、さらに人員を注げば、大きく展開することができます。

従業員の詳細を調査する

取り扱っている保険は、PL保険(生産物賠償責任保険)をはじめとする一般企業向けの賠償責任保険や、専門職業人賠償責任保険など、高度で複雑な商品の取扱いを得意としていました。これは一朝一夕に担当者の育成ができるものではありません。

さらに詳しく調べてみると、従業員は顧客の役員や現場担当者と定期的に面談を行い、先方の社内行事に参加するなどといった関係が構築されていました。

担当者の代替わりなど、引継ぎ時の関係の希薄化も乗り越えて長年の付き合いが続いていることがわかり、従業員の能力が高いだけではなく、顧客と濃密な関係であることも、磨き上げで会社の強みだということがわかりました。

以上のことから、社長と役員が退職しても、現場の従業員さえ残っていれば業務に支障はなく、むしろ、従業員がいなくなると顧客からの信頼が損なわれてしまうリスクがあります。

 顧客)大手企業や団体といった優良顧客が中心
 従業員)高度で複雑な商品の取扱いのほか、顧客と濃密な関係を構築

【M&A成立】社長の希望条件で会社売却

最終的に、社長が希望した条件で同業他社へ会社を売却することができました。

社長は1年間だけ顧問として残りの引継ぎを行い、他の役員は2年間の任期、従業員は現状のままの雇用維持という社長が望んでいた結果となりました。

従業員5名と小さな会社で組織力がなく、社長が引退すると顧客も離れてしまうのではと判断されがちですが、磨き上げで顧客と従業員の関係性が浮き彫りとなり、円滑な事業承継となりました。

小さな会社だからこそ、個々の従業員が工夫を凝らしながら多種多様な業務をこなし、顧客との関係を担当者任せにせず、複数で顔の見える対応ができるように効率的な組織体制になっていることが買い手側に評価されたポイントでした。

 高度で複雑な商品を扱うなど、従業員の能力が高い
 従業員と顧客は組織的に濃密な信頼関係を築いていた
 個々の従業員が多能工的に動ける効率的な組織体制になっていた

M&A田中

いかがでしたでしょうか。大手企業のような組織体制が整っていなくても、それがマイナス材料になるとは限らない事例になります。

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