いくらで会社は売れる?会社売却価格の決め方

必ずしも当てはまるわけではありませんが、会社の売却価格の目安は“経常利益の5倍”になります。このことに関しては後ほど解説しますが、とはいっても会社の売却価格に決まりはありません。相談する相手次第で、高くもなり、安くもなります。

例えば、会社売却を税理士に相談した場合、“会社の純資産=会社の売却価格”として考えるケースがあります。これは「貸借対照表の純資産が会社の価格」という考え方になり、財務上の数字のみでの価格になります。

しかし、会社には“見えない価値”といった無形の資産もあります。M&A会社は、会社売却によって見込まれる将来の利益、顧客やネットワークといった“目に見えない価値”なども含めた価格を提示します。

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会社の価格がどのように決まるのかを知っているのと知らないのでは、相談した相手が提示した金額が妥当なのか、正当な評価なのかを判断することができません。ここでは、会社の売却価格がどのように算出されるのか、そして会社の見えない価値とはどういうものなのかなどについて解説したいと思います。

会社の価格の算出方法について

大手企業や上場企業は、以下の手法で売り手企業を評価して価格を決めることが一般的です。

ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法

ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法は、将来の計画に基づいて現在の価値を算出するのが特徴になるので、事業計画がポイントになります。

収益倍率(マルチプル)法

本質的な収益力(営業利益を基準に考えることが一般的)をもとに、類似する上場会社が証券市場においてどの程度評価されているかを参考に株式価値を算出します。

ときには、ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法と収益倍率(マルチプル)法に加え、純資産の時価を評価したりとより多くの角度から評価を行う場合もあります。

いずれの手法も、実際には複雑な算出過程をたどりますが、基本的な考え方としてはその会社の収益力に応じて評価するという考え方になります。

年買(ねんばい)法

中小企業の場合は、年買法を用いることが多いです。必ずしも当てはまるわけではありませんが、会社の価格の目安は“経常利益の5倍”です。


一般的に会社の価格は、純資産(資産からすべての負債を差し引いた額)に等しいと考えられがちですが、会社を売却するときに価格は、純資産ではなく将来発生するキャッシューフロー(利益の額)で判断するケースが少なくありません。

キャッシュフローは、経常利益に利息の受払いや減価償却などを加減して計算しますが、大きな設備がある会社を除けば、経常利益をキャッシュフローに置き換えてイメージするのがいいかと思います。

“会社の価格”は“見えない価値”(無形の資産)でこそ決まる

M&Aの現場では、その会社のどんな点が評価されるかはさまざまです。

実際に目に見える利益が上がっていたり、預金や不動産といった資産があれば評価されて“会社の価格”に組み込まれるのは当然ですが、数字面がボロボロでも会社を売却することは可能です。

資産や利益などが“目に見える価値”だとすれば、“目に見えない価値”もあります。“会社の価格”を決めるとき、目に見える価値以外に、どれだけ上積みできるか、それを決めるのが“見えない価値”になります。

その“見えない価値”には、どのようなものがあるのでしょうか?

会社の価格を左右する“目に見えない価値”を見つける7つのチェックポイントを解説します。

見えない価値 その1)取引先

取引先そのものが会社の価値として評価されることがあります。

大企業のようになかなか取引をすることが難しい取引先であれば、その会社と取引をしたいと思っている企業にとっては、すでにその相手と取引があり、信頼関係が構築されている会社を買収したほうが、早くビジネスを展開できるといったメリットがあります。

買い手企業は、新たな商品やサービスを提供できることで、新たなビジネスチャンスが得られます。

買い手企業が欲しがるような“魅力的な取引先”は、あなたの会社の“見えない価値”になります。

見えない価値 その2)顧客リスト

“不特定多数の一般客”を相手にしている会社の場合、ただそれだけでは、M&Aという面からでは価値を見出すことはできません。しかし、個人客相手の場合でも、顧客層を細分化していくことで、これまで見えてこなかった価値が見つかる場合もあります。

例えば、年収1億円以上の顧客を3,000人持っていて、買い手企業がこの顧客リストをビジネスに転用できるのであれば相当なメリットになります。

ここでのポイントは、買い手企業にとってその顧客リストは、使い道があるかないか?という一点になります。

見えない価値 その3)人(従業員)

人が会社の価値を高めるということはままあることです。

とても高い技術を有する専門職が多数在籍して、しかも勤続年数は3年以上、なのに一般的な給与水準より安いといった場合、買い手企業に人(従業員)に魅力を感じます。

専門的な知識や技術を持つ従業員が定着していることは、その後もこの人たちの活躍を期待できますし、安い賃金は買い手企業にとってメリットになります。

逆にいくら高い技術を有していても、定着率が悪く、人の入れ替わりが激しい会社では価値を見出すどころか、マイナスの評価につながる可能性があります。

“従業員のスキル、定着率、賃金”も会社の価値を高める場合があります。

見えない価値 その4)シェア

市場シェアは、企業価値をかなり左右する重要な要因です

たとえニッチなマーケットでもトップシェアの実績を上げていたら、業績が赤字であってもすぐに会社を売ることができます。買い手の心理としては、シェアを押さえている会社なら、会社を買ったあとに何かビジネスを築いていけるはずだという期待があるからです。

マーケットの規模にもよりますが、シェアが10%もある会社であれば、そのシェアの価値を“会社の売り”にして買い手企業を探すことは難しくありません。

ニッチな市場でもシェアを持っていれば、会社の“見えない価値”になります。

見えない価値 その5)特許・技術

特許を持っているというだけで、すごいことのように思えますが、特許ほど誤解されているものはありません。

実は特許の多くが、“死蔵特許”で商品化されることなくそのまま消えていくものがほとんどです。

今までにない技術、革新的なアイデア…というふれこみでも、技術評価をしてみると、まったく価値がなかったということは少なくありません。

よほど画期的な特許なら別ですが、特許を取得しただけでは会社の価値に結びつくことはありません。価値が認められるとすれば、その特許が確実に利益を生む根拠があるときだけです。

また、特許という形でなくても“他社にはない技術的な長所”があれば、会社の見えない価値として評価されます。要は「確実に利益を生み出すなにか」を持っていればいいのです。

見えない価値 その6)特定の地域、世代、商品に強い

売上規模はそれほど大きくないし、それほど儲かっているわけではない会社でも、“商売上の特徴”が強みになる場合があります。

例えば、特定の地域に強固な営業基盤を持つ中小企業があったとします。こうした会社はブランド力もなく、利益率の低いビジネスに甘んじているかもしれませんが、もし大手企業のブランド力を組み合わせることができれば、商品やサービスの単価アップ、顧客層の拡大などを見込むことができます。

「ある年齢層に人気がある」「競合参入が難しい商品を持っている」といった特性は、買い手企業には魅力的に移ります。

業種を問わず、どんな会社でも“特定の地域、世代、商品に強い”これらがあると会社を売却しやすくなります。

見えない価値 その7)経営者の人間性・哲学

具体的にいくらといった価格にはなりませんが、それでも大切な価値として見られるのが“経営者の人間性”“経営者の哲学”です。

買い手企業は、売り手企業の経営者の“会社に対する思い入れ”を重く見ているものです。たとえM&Aによって会社を去ることになる経営者でも、「その経営者がどういう考えで長い間、その会社を育ててきたのか」ということは無視できません。

どんな企業風土なら評価されるかはケースバイケースですが、いずれにせよ経営者がなんらかの哲学をもっていることは大切なことです。

買い手企業は「企業風土が合うか合わないか」をひとつの判断基準にしています。

なおM&Aでは「創業○十年」といった業歴に価値はありません。買い手企業が求めているのは、これからその企業が生み出す価値です。業歴が信用として価値を生み出しているとしても、それは貸借対照表の利益という形で反映されているので、無形の価値とはいえません。

会社売却の価格に納得ができない場合は?

冒頭でふれたように、会社売却価格の算出は、相談する会社によって異なります。

提示された価格に納得ができない場合は、ほかのM&A会社の意見を求めてください。医療でいうセカンドオピニオンです。

将来生み出される利益額を計算してそこから会社の価格を決める方法は、業界に精通し、その会社に関する詳細まで理解していないと対応できません。単純に純資産を会社の価格とする方法は、会社の価値を正しく評価するためには有効な方法とはいえません。

会社売却の相談をしたとき、その相手がどのような算出方法で会社の価格を決めるのかを確かめるようにしてください。

会社を高い価格で売却するためには

M&Aの現場では、その会社がどんなところが評価されるかはさまざまです。実際に目に見える利益が上がっていたり、預金や不動産といった資産があれば、それが評価されて会社の価格に組み込まれることは当然ですが、数字面がボロボロでも、目に見えない無形の資産が買い手企業にとって魅力的な場合は、高く評価されることがあります。

見えない無形の資産が評価されて、会社が高く売却できた事例も紹介しているので、ぜひこちらもご参考にしてください。

事業承継の成功事例・失敗事例

買い手企業は、会社や事業を買収することにより、単純に両社の収益の和よりも、さらに大きな収益力を得るためにシナジー効果を求めています。では、どのようにシナジーが生み出す利益はどうやって算出されるのでしょうか。

本社機能の一本化

2つある本社事務所と事務員を1つにまとめることで、間接経費を抑えることができます。また、重複する販売拠点や物流施設でも、同様のシナジー効果を期待することができます。(重複機能削減によるコスト削減)

研究開発機能の一本化

研究開発予算や人員、設備を1つにまとめることで“規模の経済”が働き、単独では困難だった大規模な研究開発が可能となり、結果として市場競争力を増すことができます。(規模の経済による競争力強化)

販路・顧客の拡大

買収先企業の営業情報を取得することで、自社の製品を販売することができます。自力で顧客を開拓するよりも、営業や広告宣伝費をかけずに、顧客にアプローチすることで、収益を増加させることができます。(クロスセリングによる収益力強化)

資金調達力の強化

買収により事業規模が拡大する、あるいは買収された企業(被買収企業)の信用力が増すことで、資金の調達力が強化できたり、被買収企業の資金調達条件が改善するなどの効果を期待することができます。

シナジー効果を説明できることがポイント

買い手企業は、こういったシナジーを期待して統合後の事業計画を作成します。そして、その事業計画から売却企業の価値を算定していきます。しかし一方で、M&Aを経験した80%以上の企業がM&A実施後に課題を抱えているといった調査結果もあります。これは、シナジーを十分に実現できていないと考えられます。

その理由として、シナジー効果をきちんと検討せず、曖昧なまま契約をしているなどが考えられ、M&Aが活発に行われている一方で。買い手にとっても、売り手にとっても、取り組みの甘さが課題として認識されています。

逆にいえば、会社を売りたいと考えている経営者の方は、「こんなシナジーを期待することができます」「その根拠は○○○だからです」ときちんと説明することで、買い手企業の懸念を払拭し、よりスムーズな会社売却、より高い価格で会社を売却することが可能になるといえます。

とくに、業種が違う会社に会社を売却する時は、買い手企業が発生し得るシナジーに気づきにくい場合が多いです。ですから、買い手企業にシナジーをわかりやすく説明できるように準備しておくことは、会社売却を成功させるポイントの一つといえます。

会社を売却する必要期間

会社を売却しようと決心をしてアドバイザーと契約したからといって、すぐに買い手企業を探すというステップに進めるわけではありません。ただし、アドバイザーによっては、すぐに買い手企業を探すところもありますが、会社を高い価格で売却できるケースは少なく、決していいことではありません。

買い手企業を探す前に、アドバイザーとともに会社の内容を整理してブラッシュアップした方が、はるかにいい結果が期待できます。とくに業績が悪化している会社の場合は、こうした作業に時間をかけて念入りに行うことが、少しでも高く会社を売却することができます。

一概にはいえませんが、会社をより高く売却するためには、できるなら会社を売却する準備期間は2年間はみておいた方がいいです。理由は、事業計画を練り直し、それが計画通りに進んでいることを決算書で証明するため、少なくとも決算期を一度またく必要があるからです。こうした準備期間を経ると、たいていの会社はより強みを発揮した経営内容になって魅力を増すことができます。買い手企業を探すことも楽になるほか、より会社を高く売却することができます。

こういったものをM&Aでは、磨き上げと呼ばれます。会社の問題点を調査・認識をして対応策を策定・実行することで企業価値を最大化し、円滑なM&Aの遂行、より良い譲渡条件や価格を獲得することを目的に行います。会社売却.COMを運営しているアドバンストアイ株式会社では、会社を売却する前の事前の準備の磨き上げサービスも提供しています。無料での相談もお受けしていますので、ご興味がございましたらネットまたはお電話からお気軽にご連絡ください。

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まとめ

会社売却.COMでは“自社の価値を自動的に診断するオンラインサービス(無料)”をご用意しています。自社にどれくらいの価値があるのかを知り、適切な売却プロセスに進むための指針としてご活用ください。

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会社売却.COMの診断方法は、純資産をベースとした診断ではなく、買い手企業からの視点でみた株式価値のおおよその評価を算出します。また、希望する売却価格を入力すると、その価格での取引成立の可能性も診断します。

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