会社を高く売るためには?事前の準備の仕方について

たとえ会社が売れたとしても、自分が納得できる価格や条件でなければ、売却後に後悔する場合もあります。会社売却は、事前の準備の仕方によって、より高く売却することができます。

ここでは、具体的にどんな準備をすれば会社を高く売ることができるのか“会社を高く売るための事前の準備の仕方”について解説します。

会社の価格を左右する2種類の価値

会社には2種類の価値があります。ひとつめは“財務上の価値”。ふたつめは目に見えない“無形の価値”になります。

それぞれの価値について、詳しく解説します。

財務上の価値

財務上の価値とは決算書に記載されている数字です。

貸借対照表をみると、ここにはさまざまな資産・負債の項目が列記されています。これらの数字はどれも財務上の価値になります。

しかし、財務上の数字は必ずしも正しいとは限りません。

中には、数字と実態が一致していない場合もあります。例えば、売掛金の科目。これはすべて回収できる売掛金でしょうか?また、在庫の科目。不良在庫は毎期きちんと処理をしているでしょうか?

実態のない数字を落として、財務上の数字と会社の実態を一致させて、資産から負債を引いた数字が本当の会社の財務上の価値となります。

無形の価値(目に見えない価値)

会社には財務上の価値のほかに“無形の価値(目に見えない価値)があります。

会社を高く売るためには、この無形の価値(目に見えない価値)を高めることで、会社売却の成功率をさらに高めることができます。

そのためには、自分の会社にどんな無形の価値があるのかを探る必要がありますが、ただ、やみくもに考えても見つけることはできません。

それでは、会社の無形の価値はどのように見つけたらいいのか?会社の無形の価値(見えない価値)の見つけ方についてご紹介します。

会社のセールスポイントを見つけだそう

1)“継続”して“収益”をあげているものは何か?

まずは、あなたの会社の“コア”について考えてみてください。

コアとは、競争力があり、収益の源泉となっている“何か”です。独自の技術やサービス、営業基盤や組織のあり方などの場合もあると思います。

会社の部門、商品、継続して収益を上げているものは何か?これをはっきりさせます。

中小企業の場合は「継続して」は2年以上を目安にしてください。またここでいう「収益」は、市場や業界の平均を上回る採算です。

2)“収益”の“源泉”は何か?

次にその収益の源泉は何かを探します。

収益の源泉を探すことでその収益がどれくらい持続性があるものなのか、また競合からどれだけ隔離されているものかを把握することができます。

例えば、ある特定の商品が市場や業界の平均を上回る収益を上げているとしたら、その理由を探ります。

  • 商品の独自性によるものなのか?
  • 価格なのか?
  • 品質なのか?
  • 特定の顧客層を囲っているからなのか?

このような切り口で詳しい分析をします。

さらに“商品の独自性”が理由であれば、

  • 特定の職人しかつくれないものなのか?
  • 特許などの製法で守られているのか?
  • 特定の成分をその会社でしか使えないのか?
  • 長年のブランドで他の追随を許されないものなのか?

このように、さらに踏み込んで考えていきます。

以上のように、さまざまな角度から自社の強さの原因を調べていくのですが、これらは必ずしも絶対的なものである必要はありません。中小企業の場合は、買い手にとって強みになる部分があればそれで十分です。

3)「ヒト・モノ・ノウハウ」いろいろな切り口から魅力を探す

どれだけ自社の強みを探しても、継続して収益を上げている製品やサービスが見つからないといったこともあります。

そのような場合は、収益という切り口以外で大切な価値を構成するものはないか?といった視点で探します。

  • ヒトの場合
    特殊な技能をもっている社員、チームとして生産性が非常に高いメンバー、他社より安い給与水準、低い損益分岐点、社員定着率の高さ(安定したサービス提供の基盤となる)など
  • モノの場合
    時価評価(あるいは清算価値=会社をたたむときにいくらで処分できるかという価値)など
  • ノウハウの場合
    特許などの知的財産、新商品を他社に比べて次々と早いサイクルで発売できる組織としてノウハウ、システム的なオペレーションなど

このほか、データベースという切り口もあります。

データベースとは、最終顧客、取引先、仕入先などについて、競合他社より充実したデータがあるかどうかといったものになります。

例えば、消費者向けの化粧品をインターネットで販売している会社なら、最終顧客数がどれくらいあり、そのうち実際に購入している顧客層がどれくらいで、毎月どれくらい伸びているかといったことを調べます。そして、顧客データがどのような特性を持っているかを調べます。

この方法なら、販売ビジネスにおいて最終顧客が数千人規模であれば魅力的な何かを見つけられるはずです。これは顧客だけではなく、取引先や仕入先についても同じだと考えてください。

このように会社の強みを見つける一方、会社の弱み(リスク)も知っておくことも重要です。自社の弱みも理解しておくことで、M&A後の解決策や改善策をあらかじめ検討することが可能になるからです。

会社を魅力的に見せる「事業計画」をつくるコツ

自社の強み、弱みを見つけたら次は事業計画を立てます。

  • 会社の強みを生かし、さらに伸ばしていくためにはどうすればいいのか?
  • そのためには、どんな戦略が必要なのか?

現在の商環境からすると少し難しい事業計画でもかまわないので、「5年後にはこのようになりたい」という事業計画を作成します。

ここで考えるべきことは、

  • 自社の強みを生かして会社をどう伸ばしていくのか?
  • そのためには、どんなこと、何か必要なのか?

これらを突き詰めることです。

すると、何が足りないのか、何が余分なのかが見えてきます。

事業計画を作成したら、計画どおりに進める必要があります。買い手に「事業計画どおりに会社は進んでいる」と見せる必要があるためです。

逆にいうと、事業計画どおりに進まなかったり、事業計画だけしかない状態で会社を売ろうとしても、結局は「実現の可能性が不透明」ということで安く叩かれてしまうことになってしまいます。

では、具体的に事業計画書の中味はどのようなものにすればいいのか、基本的な項目をご紹介します。

項目 具体的な内容
事業戦略概要 事業の概略やビジネスシステム(儲かる仕組み)の概要
市場環境
(マーケットサイズ)
事業に関する市場動向、競合といった外部環境とその事業が持つビジネスチャンスについて
社内環境 なぜその事業を実施しようとするのか、社内環境の事情
必要資源
(ヒト・モノ・カネ)
対象事業に必要な資源(「ヒト・モノ・カネ」だけではなく、「ノウハウ」や「資格」のような無形の財産も含めて説明する)
売上プラン
(マーケティング計画)
参入戦略、他製品・サービスとの差別化戦略と、それに基づいた今後3年間の販売数量計画・売上計画(通常は2パターン前後を作成する)
コストプラン
(オペレーション計画)
売上プランに基づいたコスト計画で製品・サービス毎に必要な人員、設備、仕入などを説明(売上プラン同様、2パターン前後を作成する
収支計画 売上プランとコストプランに応じた、今後3年間のPL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー表)
シナリオプランニング 事業計画見直しタイミングと計画変更の判断基準となる重要な要素(変更案も記載しておくことが望ましい)

※すでに対象事業がスタートしている場合には、予実対比を行って予定と実績の差異についてのコメントを記載する

まとめ

納得できる価格で会社を売却するためには、事前の準備の仕方一つで違いがでます。

“財務上価値”・“無形の価値”を洗い出し、“自社の強み・弱み”を把握して、会社の体制を整えることが、会社売却を成功させるポイントになります。そして、自社にどれくらいの価値があるのか把握することも大切です。

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