事業承継M&Aを成功を左右する会社の“磨き上げ” -成功事例・失敗事例-

この記事は約 1042 秒で読めます。

事業承継で会社売却をすることを決めたけど、タイミングやM&A会社選びを間違えると「結局会社を売ることができなかった」「思ったほど高く売れなかった」「希望の条件で売却できなかった」「安く買い叩かれてしまった」といったように、失敗したり損をしたりするケースがあります。

ここでは売上が小規模の会社や倒産寸前だった会社が事業承継M&Aで“成功した事例・失敗した事例”についてまとめました。

事業承継M&Aの成功事例ケース1)借入金は数千万、それでも9,000万円で売却

業種 旅行業
売上げ 1億円
収支 赤字ではないが利益はほぼゼロ
従業員数 5名
売却条件 売却後も65歳までは今の社長業を継続したい
希望売却金額 1億円

この会社の業務内容は、学生のホームステイ先を紹介するという事業になります。海外のホームステイ先を多数ネットワークしているのが大きな特長ですが、従業員5名の小さな会社です。

売上は1億円、累積も債務超過もありませんが、銀行からの借入金が数千万円ありました。事業承継M&Aを検討したのは、第一線での仕事がきつくなってきたのが理由になります。

社長は会社の売却金額を年商と同額だと単純に考えていましたが、1億円の年商はあるものの、ほとんど利益がでていない状態でしたので、希望額を叶えるのは少し難しいようにも最初は思えました。

ほぼ利益がでていないのに、9,000万で会社を売却できた理由

ところが会社を調べていくうちに、この会社ではきちんとメンテナンスされた数千件ものホームステイ先のリストを保有していることがわかりました。これは決算書には記載されていない“無形の企業価値”になります。

買手は大手旅行会社に決まりました。評価されたのは数千件のホームステイ先リストです。

きちんとメンテナンスされた数千件もの膨大なホームステイ先リストを活用することで、これまでにないビジネスチャンスが生まれる可能性があると判断されて買収金額9,000万円でM&Aが成立しました。

また、売却の条件にあった今後5年間も社長としてとどまる等の条件も満たされ、社長は買収金額とは別に5年にわたって毎年2,000万円の社長報酬が支払われることにもなりました。

メンテナンスされた数千件のホームステイ先リストが評価
9,000万円でM&Aが成立
買収後も5年間社長報酬として毎年2,000万円支払われる

事業承継成功のポイント

当社では会社を売却するプロセスに入る前に、会社の見えない価値を見つけて好条件で売却するための会社の“磨き上げ”を行います。

この会社の場合、会社の磨き上げで、きちんとメンテナンスされた数千件ものホームステイ先リストを保有していることを発見したことが、この会社の強みとなり、会社の価値を高めることにつながりました。

そして、この会社の強みが行かされる大手旅行会社に売却できたことが成功のポイントになります。

会社の磨き上げについては以下の記事にまとめました。会社を第三者に売却をする事業承継M&Aを考えている経営者の方は、絶対に知っておきたいM&Aの知識になります。


事業承継M&Aの成功事例ケース2)債務超過に赤字、倒産しそうだったのに2,000万円で売却

会社売却による事業承継M&Aは、業績不振に悩む会社を救う可能性もあります。まさにこの事例が当てはまります。

業種 システム開発業
売上げ 1億2,000万円
収支 債務超過に赤字
備考 近い将来に倒産の可能性

この会社の事業内容はコンピューターのシステム開発です。資本金1,000万円、売上1億2,000万円のよくある規模の会社になります。

ただし、長年の業績不振でいまや債務超過に陥り、銀行からの借入金でなんとかしのいでいる状態で、資金繰りに苦しんでいました。

倒産しそうだったのに、2,000万円で売却できた理由

この会社の場合、決算書や試算表といった財務諸表では、会社の強みを見つけることができませんでした。

そこで、数字の精査をいったんおいて、社員インタビューや受注状況などのフィールド調査を実施したところ、他社にはない“会社の強み”を発見することができました。

その会社の強みとは従業員です。この会社の従業員は優秀なSEやプログラマーが在籍、平均勤続年数も5年以上でした。

最終的には、この会社は同業のシステム開発会社に2,000万円でM&Aが成立しました。また、5000万円あった銀行からの借入金は買収先の企業が負担することになりました。

売却せずにこのまま事業を継続していたら、かなり高い確率で倒産することが予想されましたが、会社の磨き上げで会社の強みを発見することにより、会社を2,000万円で売却、すべての負債からも解放され、会社売却はまさに救済策となった事業承継M&Aの成功事例になります。

働いている従業員のスキルやノウハウが評価
債務超過にもかかわらず2,000万円でM&Aが成立
銀行からの借入金5,000万円は買収先企業が負担

事業承継成功のポイント

システム開発のようなノウハウ型企業の場合、ノウハウは人に依存しているところがポイントになります。そして、ノウハウを持っている人が他社に流出しないで長くとどまっていることは、それ自体も会社の強みになります。

会社の磨き上げで従業員のスキルが高いことやさまざまなノウハウを保有していることがわかりましたが、さらに約半分の社員が年収にして一人当たり約200万円もの安い賃金で働いていることもわかりました。

この会社の場合、この従業員のスキルやノウハウ、水準よりも賃金が安かったことが会社の強みとなったのが成功のポイントになります。

事業承継M&Aを成功させるためのポイントは会社の“磨き上げ”

2つの事業承継M&Aの成功事例をご紹介しましたが、どちらのケースも会社の磨き上げを実施して会社の強みを発見したことが、成功したポイントになります。

これらの成功事例からもわかるように、M&Aプロセスに入る前の事前準備である会社の磨き上げが、とても重要だということがわかるかと思います。

ただし、会社の磨き上げはどのM&A会社でも実施するわけではありません。

事業承継M&Aを成功させるためには、会社の磨き上げは重要ですが、依頼するM&A会社が磨き上げを実行できるかどうかを確認する必要があるので注意してください。

M&A会社には、仲介会社とアドバイザリー会社の2つのタイプがあります。提供されるサービスや報酬形態も異なったり、磨き上げの得意、不得意もあります。M&A会社に相談するときには、磨き上げの顔の事例などを聞くようにしてください。


事業承継M&Aの失敗事例)売れる可能性があったのに、タイミングを逃して廃業

業種 広告デザイン業
売上げ 4億円
従業員 20名

この会社は大手電機メーカーの商品や大手スーパーのプライベートブランドの商品パッケージなど、幅広く手掛けるデザイン会社として、広告業界でも定評のある仕事をしていました。

社長が高齢を理由に廃業を考えているという噂を聞いた同業者が、廃業するくらいなら従業員ごと会社を譲ってもらえないかと相談され接触をしたら、すでに社長は廃業を決めて、同社のデザイナーたちが辞めてしまった後でした。

その後、退職したデザイナー5名で新しい会社を設立したそうですが、新会社が継続できた大手取引先は3割程度だったそうです。

事業承継の選択肢でもある会社売却の知識がなかったばかりに…

この会社の社長は「高齢だから廃業だ」と単純な発想で廃業を決めたようですが、もしこれが、「従業員が会社を買う」といった形態の会社売却を実行していたらどうだったでしょうか。

社長は数千万円の売却代金を得て経済的メリットがあるほか、会社を買った従業員も、取引先を引継ぐことができて、既存顧客を7割も失うことはなかったはずです。会社売却という選択肢で、結果は大きく変わっていたと思います。

この事業承継M&Aの失敗事例は、社長にも従業員にも会社売却の知識がなかったばかりに起こってしまったケースになります。

社長や従業員に会社売却の知識がなく、業績が好調にもかかわらず廃業
従業員が新たに会社を立ち上げるも既存顧客の7割を失う

事業承継M&A成功の第一歩は、M&A会社選びから

事業承継M&Aを成功させるためには、会社売却のプロセスに入る前の事前の準備である会社の“磨き上げ”がとても重要になります。

磨き上げの課題を自社で見つけることは容易ではないので、一般的にM&A会社と一緒に行いますが、M&A会社でも磨き上げが得意・不得意があるので、磨き上げの実績があるM&A会社を探すことが重要になります。

当社は長年、事業承継M&Aにおける磨き上げに取り組んでまいりました。創業21年の豊富な実績と、経験豊かなコンサルタントが、会社の強みや価値を見つけて、好条件で会社を売却するためのサポートをいたします。お気軽にお問い合わせください。

お気軽にご相談ください。

会社売却が決まっていない場合でも問題ありません。また、正式に契約をするまで費用は一切頂きませんのでお気軽にご相談ください。業界のトレンドなども踏まえて具体的なイメージをお伝えします。

無料相談する

03-6225-2880

受付時間│平日9:00~18:00

関連記事一覧