事業承継をする前に知っておきたいこと

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事業承継はすべての企業が意識しておかなければいけない重要な経営戦略の一つです、しかし、偏った知識や誤った理解で事業承継に取り組んでしまうと、経営者や後継者ばかりではなく、従業員や取引先にまで迷惑をかけてしまうことも。ですから、事業承継は経営者の重要な仕事の一つといっても言い過ぎではありません。事業承継を成功させるためには、まずは事業承継の本質を理解する必要があります。

現在、長手さんの会社は大きく成長していますが、事業承継については考えていますか?

いやー、まだ50歳だから全然考えていないよ~。それに、事業承継って何をしたらいいのかもよくわかってないんだよー。

事業承継は誰に事業承継をするかにもよって方法も変わりますし、譲渡内容も株式だけというわけではありません。長手さんはオーナー企業ですし、そろそろ事業承継に取り組んでもいいかもしれませんね。

事業承継にはどんな準備が必要か?

事業承継の目的は「経営そのものを引継ぐこと」です。単純に経営者を交代することでも、株式を後継者に譲渡するだけではありません。経営者が誰になっても、問題なく事業を継続できる組織体制をつくり、事業を引継ぐことが重要です。

後継者選びからはじまり、経営分析、経営や組織の見直し、税金対策など、事業承継は多岐に渡り、準備をする必要があります。

主に事業承継で行うこと

・経営分析
・後継者選び(→後継者がいない場合は、第三者へ会社を売却)
・経営の見直し
・組織の見直し
・相続制対策 …etc.

早めに事業承継対策をはじめたほうがいい理由

下のグラフは中小企業庁の事業承継ガイドラインから抜粋したものですが、年々経営者の年齢は上がっているのにもかかわらず、経営者交代率は下がっていることがわかります。このグラフから多くの企業で事業承継がうまく進んでいないことがわかります。

出典:中小企業庁 事業承継ガイドライン

事業承継は多岐に渡り準備が必要となります。そして事業承継をする相手により準備の方法も異なります。例えば、子どもに5億円の株式を親族内承継をした場合の相続税は以下の金額になります。

5億円×50%-4,200万円(税金控除額)=2億3,300万円

参考:相続税の税率

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

※2015年1月より、相続税の最高税率が従来の50%から55%(相続財産の評価額が6億円超えの場合)へと増額されました。

5億円の株式譲渡で相続税が2億3,300万円なんて、驚愕しますよね…!
相続税は現金一括納付が原則なので、相続税を支払うために銀行から借入れをしたという例も珍しくないんです。

後継者が相続税で困らないようにするために、親族内承継の事業承継は、利益を圧縮したり、資産の整理や組み替えするなどの「株価引下げ」対策が重要になります。

なるほど…!
では事業承継をする後継者がいない場合はどうなんですか?

事業承継をする後継者がいない場合は、第三者へ会社を売却する方法があります。いわゆるM&Aですね。
この場合は、従業員の雇用や売却金額など最良の条件を獲得するために、会社の価値を高めて「株価引上げ」対策を行います。

そうか、事業承継をする相手によって、事業承継の対策方法が違うのか!

このように会社を誰に事業承継するかによって経営者が行う対策は異なります。また、対策を行う準備にもある程度の時間をかけなければ行うことができないので、事業承継対策は早めに実行したほうが良い結果を生みます。

事業承継ってなかなか大変なものだな…!
うちもしっかり事業承継対策に取り組まないといけないな!

事業承継では何を承継するのか?

「人」の承継

従業員、顧客、取引先、仕入れ先などを後継者に引継ぎます。中小企業の場合は、これらが経営者個人に集中していることが多いため、円滑に引継ぎができるように準備をしておくことが重要です。

「経営」の承継

営業ノウハウや事業ノウハウを後継者に引継ぎます。経営も上記と同じく経営者個人に集中していることが多いので、経営も円滑に承継できるように準備をしなくてはいけません。

「資産」の承継

株式、現預金、不動産などを後継者に引継ぎます。親族内承継の場合は相続税対策が必要になってきます。

会社は、経営者や従業員、取引先などの人的ネットワーク、会社が培ってきた経営ノウハウ、そして事業活動を支える資産で成り立っています。事業承継はこの3つの項目をスムーズに承継することが大きなテーマになります。誰が経営者になっても問題なく事業を運営することができる組織を作ることが目標になります。

このように事業承継はやるべきことがたくさんありますが、まずは「誰に事業承継をするか?」を決めることがスタートになります。そして、事業承継をする相手によって、取るべき方法が異なります。

誰を後継者にするかによって事業承継の準備が違うということはわかったけど、うちの会社の場合はどうしたらいいんだろう…??

次回は「親族内承継」「親族外承継」「第三者へ会社を売却(M&A)」といった事業承継の方法について解説しますね。

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