大塚家具は何を失敗したのか?

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業績悪化で話題になっている大塚家具ですが、大塚家具は1969年埼玉県春日部市に設立され、1980年には当時の店頭登録銘柄として市場登録されています。

大塚家具といえば、会員制と広大な有明本社ショールームの印象が強いですが、開設は意外と新しく1996年です。

その後、主要都市への大規模ショールーム開設を展開し、3年後の1999年に株価は37,400円の高値を付け、業績も2007年頃までは好調を維持していました。しかし、2008年からは業績が大きく落ち込んでいくことになります。

大塚家具の業績低迷の要因とは?

大塚家具の業績が低迷したのは、リーマンショックやインターネット関連企業の興隆、住宅着工の低迷など様々な要因が考えられますが、2006年に船橋に1号店を開設したイケアの日本再進出が大きな影響を与えたと思われます。

イケアは2006年の1号店開設の後、約9年間で売上高78,084百万円(2015年8月期)まで急速に拡大させた一方で、大塚家具は売上高が72,769百万円(2007年12月期)から54,366百万円(2011年12月期)まで△18,403百万円(△25.3%)と急激に減少しました。

新たな同業者の突然の出現によって、消費者ニーズの変化が加速し、大塚家具の事業規模を維持するだけのニーズがあれよという間に無くなってしまったのかもしれません。

大塚家具 業績推移

大塚家具 売場面積・従業員数推移

※大塚家具IRデータより当社作成

大塚家具は典型的なオーナー企業で無借金、持続的に利益を維持してきたという点では優良企業だったわけですが、ちょうど後継者への代替わりのタイミングで厳しい競争の波に洗われてしまいました。

ここ数年は上場しているメリットは乏しく、むしろその責任(持続的な企業価値の拡大、ディスクロージャー、上場コスト等)が重荷となり、小売業者として大事な会社の印象を悪くしてしまった印象があります。

未上場の中堅企業のみならずオーナーが創業し引っ張ってきた上場企業においても持続的な企業価値の拡大のために、業績が好調な間に外部との資本提携(M&A)を活用した事業承継を経営戦略の選択肢としておく、早めに準備をしておくということが経営者の大切な責務といえるのではないでしょうか。

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杉本仁志

アドバンストアイ株式会社 取締役 前野村證券株式会社勤務/日本証券アナリスト協会検定会員 私たちは、中堅中小企業の方々へのご支援を創業以来ビジネスの軸として...

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