投資ファンドってどういったものなの?【前編】
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第三者に会社の承継を考える時、M&Aのアドバイザーが買い手の候補先に“投資ファンド”を挙げることがあります。
今回は投資ファンドについて2回に分けて解説を行っていこうと思います。
この記事の目次
投資ファンドとは何か
投資ファンドとは複数の投資家から集めた資金を1つの基金として投資を行い、そこで得たリターン(配当や売却益など)を出資した投資家に分配する仕組みのことを言います。
例えば、50人から1,000万円ずつお金を集めたとするとそのファンドは5億円ということになります。そして、ファンドの投資対象は株式や債券、不動産などが多いです。
ファンドごとに投資方針があり、そのテーマに沿って投資対象が決定されますが、中小企業のM&Aにおける投資ファンドは、そのファンドの投資対象が中小企業の株式ということになります。
投資ファンドは、売り手企業のオーナーから株式を買取ることで投資を実行したことになり、投資を行ったファンドは、ファンドに出資している投資家に利益をもたらさないといけません。そのためファンドの運営者自らが買い取った株式の経営に参加して経営の改善を図ることが一般的です。
投資ファンドに承継する3つのメリット
投資ファンドに会社の承継を検討するメリットは以下の3つになります。
1)経営支援によって会社の価値を高めることができる
2)会社の売却価額を最大化できる可能性がある
3)同業他社への譲渡に従業員の抵抗がある場合、従業員から理解を得ることができる
一つずつ詳しくみていきましょう。
経営支援によって会社の価値を高めることができる
投資ファンドは出資している投資家からリターンを求められています。そのため投資ファンドがお金を出して承継した会社の価値を高めるために経営の専門家やメンバーを出資した企業に派遣して様々な支援を行います。
優秀な人材を経営に参加させることで高度なノウハウが会社にもたらされることとなり、事業の成長が期待できます。また従業員の育成にもつながります。
会社の売却価額を最大化できる
投資ファンドは流入してきた資金を投資に回しリターンを得ることを事業として営んでいます。昨今においては投資ファンドに対して市場から多額に資金が流入しています。
以前より多額の資金が集まるようになったため投資ファンドも投資先を探すことに苦労しています。そういった背景から多少高額になっても投資ファンドは攻めの値段設定を行うことがあります。
競争入札により事業承継先の選定を行う場合、投資ファンドも競争入札に参加させることで売却価額の最大化を狙うことができるのではないかと思います。
同業他社への譲渡に従業員の抵抗がある場合、従業員から理解を得ることができる
会社の承継を検討する際に経営者の方は同業他社や同エリアを避ける傾向があります。そういった場合は従業員の方も同じ考えで、これまでライバルとしてやってきた同業他社の子会社になることは心理的にもあまり気持ちの良いことではありません。
また事業承継がうまくいかなかった場合には、情報漏洩などにより損害を被るリスクも高くなります。
こういった場合投資ファンドであれば事業的にも、エリア的にもコンフリクトが抑えられるため候補先として検討しやすのではないかと思います。
今回は投資ファンドについて、「投資ファンドとは何か」「投資ファンドに会社を承継する3つのメリット」についての解説を行いました。次回は主に「投資ファンドの投資対象」「投資ファンドへの事業承継において気を付ける点」について解説をします。
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