投資ファンドってどういったものなの?【後編】
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前回の投稿に引き続き、今回も投資ファンドについて解説したいと思います。
この記事の目次
投資ファンドの投資対象
投資ファンドの投資対象は、ファンドの規模や投資方針によってさまざまです。しかし、中小企業の事業承継においてとくに重要なポイントは3つあります。
1)安定したキャッシュフローを生み出している
2)業歴が長い
3)投資ファンドが出口を想像できる業界である
それぞれの項目を詳しくみていきましょう。
1)安定したキャッシュフローを生み出している
まず1点目は安定したキャッシュフローを生みだしている会社であることです。
投資ファンドは事業として投資を行っています。そのため投資から得たリターンをファンドの出資者に還元しなければなりません。
投資ファンドはキャピタルゲイン(株式の売却益)やインカムゲイン(配当など)を出資した会社から得ることになりますが、その源泉となるのは事業のキャッシュフローになります。
安定的にキャッシュフローが出ている会社の場合、投資ファンドも投資の回収期間を設定しやすいはずです。
投資ファンドが投資の可否を検討するにあたり、キャッシュフローをもとに精緻な分析を行います。そのためキャッシュフローは最重要な項目となります。
2)業歴が長い
2点目は業績が長いことです。業績が長いということは、過去に幾度も発生した不況を乗り越えて現在に至っているということです。
長く事業を続けることが出来ている会社は必ず理由があるはずですし、また業歴が長いということはそれだけ顧客などのデータが会社に蓄積されているということです。
投資の判断材料として過去の顧客データなどが蓄積されていることで投資ファンドも将来の予測を立てやすくなります。
投資ファンドは業歴が短くても成長余力がありそうな会社に投資を行うこともありますが、その際は株式を100%保有するのではなく株式の取得を10%や20%などの少数の株式に抑えてリスクを低くすることが多いです。
3)投資ファンドが出口を想像できる業界である
3つめは投資ファンドが出口を想像できる業界に属する会社であることです。
投資ファンドはいずれ取得した株式を売却しキャピタルゲインを得ます(EXITせず投資先のIPOを方針とするファンドもあります)。投資ファンドではこれを出口(EXIT、イグジット)と呼んでいます。
もともと投資した金額よりも高い金額での売却を目指すのですが、出口の時に売りづらいと考えられる業界の場合、ファンドはその会社を避ける傾向があります。
ニッチすぎる商品を扱っている場合や事業独自の強み・付加価値が見出しづらい場合は投資対象として難しくなるケースもあります。
投資ファンドへの事業承継において気を付ける点
投資ファンドへの事業承継において気を付ける点は「一緒に事業をやっていける感覚を持っている相手であるか」だと思います。
オーナが事業を売却後に引退する場合と売却後も会社に残って経営を続ける場合でも、会社を成長させていくにあたってのパートナーとして信頼できるかどうかを慎重に見極める必要があります。
同じ目線で成長の絵を描くことができるのか、経営者が引退する場合は残された従業員の事を考えた経営を行ってくれるのかなどを投資ファンドのメンバーと議論する必要があると感じます。
また投資ファンドに対してしっかりとした知見を持ったM&Aのアドバイザーに相談することも重要かと思います。
おわりに
前回と今回の2回に分けて「投資ファンド」についての解説を行いました。会社の売却を検討する際、投資ファンドを買い手の候補先に加えることを検討してみてはいかがでしょうか。状況によって売却価額や従業員の待遇などに対してプラスの効果が働くかもしれません。
アドバンストアイでは会社を売却する先の選定もサポートしております。どのような先に会社の売却を考えたら良いか分からないときはご相談いただけると幸いです。
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